今、わたしたちは、刻々と更新され大量に流れていく情報の波の中で生きています。

それらの情報は、わたしたちの感覚をあたかもコントロールしているかのように、即時的な消費とリアリティの乏しい経験のコピーを増やし続けているのではないでしょうか？
そのような時代においては、素材に触れ自覚的に創造することや、他者と創造しながら関わりつながっていくことが、とても大事だと考えています。

「つくる」ことのプロフェッショナルを育成する芸術系大学として実績を積んできた成安造形大学は、このような創造にまつわる現代の問題に積極的に向き合って、それらを体験できる機会を意欲的につくっていきたいと思います。

そこで、本学が運営する【キャンパスが美術館】では、内外に向けて「つくる」ことにまつわる不思議や魅力を広く発信するために、創作活動においてもっとも根源的ともいえる「つくる」＝「MAKE」の現在進行形である「MAKING」を総合テーマに、セイアンアーツアテンションVol.2「MAKING−連なる行為がつくること−」と題して、さまざまな「つくっていく」かたちに注目します。

本企画では、置かれた作品を見るだけの展覧会から少し角度を変えてみます。

29日間の会期を通じて、大小さまざまな個性を持つ【キャンパスが美術館】の空間と呼応しながら、展覧会のプロセスを問う企画やワークショップの成果を展示するプロジェクト、地域へのフィールドワークや公開制作など、多彩な方法で、「つくる」が連なっていくことでしょう。

そして、その行為の連鎖が、あらゆる人々にとっての創造を促すきっかけとなり、そのプロセスの豊かさを感じながら、みなさまの「MAKING」をつくる機会となれば幸いです。

成安造形大学【キャンパスが美術館】