2020年10月19日[月]—11月2日[月]
12:00—19:00
土・日・祝 休館
2020年 10月19日[月]—11月2日[月]まで『
本展では美術領域内で選抜された学生による個展を開催いたします
vol.38となる今回の展覧会は、現代アートコース4年生の片岡 周介が展示を行います。
揺れる、揺り動かすという意味を持つSWAYと題された本展は、片岡さんが主にホームセンターなどで購入した日用品、素材を組み合わせて制作された立体彫刻を展示しています。
数年前までは油絵やテンペラ画を描いていた片岡さんですが、写実的に描こうとすることや画面の中にイメージをつくることよりも、物質としてのメディウム自体の面白さに惹かれ、絵に使用することのない道具を使用し絵画を成立させられないかと考えるようになります。
さらに、わたしたちの日常を一変させたコロナ禍により家で制作する機会が多くなったことで、普段よりも自宅や身の回りにあるモチーフに目を向けるようになり、家で作ることのできるサイズの作品を大量に制作するようになったといいます。
そのため一つ一つの作品スケールは小規模ですが、風景を描くのではなく自身が撮った自然の写真イメージをスポンジの側面に貼り合わせるコラージュのような技法、スポンジで描かれたストロークが形づくる波のようなディティール、シリコンの上にスポンジを重ねるだけのシンプルな身振りから作られる立体は、あたかも大陸、山岳、森林の形状を思わせ、鑑賞者をミクロ・マクロ視点の往還へ誘い込む密度を持ち合わせています。
スポンジに落とされたカラーインクは、ある場所ではウレタンへ染み込み、ある場所では床へ垂れ落ち固まった形状が、削りとられることなくそのまま残されています。垂れ落ちた筋の固まりを壁面に沿わせる流動的なメディウムの展示方法は水平垂直の感覚を狂わせ、僅かなめまいのような揺らぎを私たち鑑賞者に与えます。
柔らかさと軽さを合わせ持つスポンジ、絵具の固まり、絞り出されたシリコンなど、使用される素材たちの豊かなマチエールは、制作技法を絵画のメディウムに留め置かない作者の制作に対する自由な姿勢や、軽やかさを物語っているようにも見て取れます。
絵画が持つある種の均質さ、重厚さから軽やかに逃れ跳躍しようと試みる立体彫刻が、この先どのような方向・スケールへ変容してゆくのか、今後への期待が高まります。
美術領域選抜個展シリーズvol.38 片岡 周介 展「SWAY」
会 期| | 2020年10月19日[月]—11月2日[月]12:00—19:00 |
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休 館| | 土・日・祝日 |
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会 場| | 成安造形大学【キャンパスが美術館】
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主 催| | 成安造形大学 美術領域 |
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