地域の歴史・地理・町並み・生業・信仰・祭礼・食文化・コミュニティ・自然資源利用といった地域をかたちづくる事象・文化について、フィールド研究活動を行っています。
イラストレーション、デザイン、展覧会や企画などを通して研究成果を地域へ還元する表現を考える中で、地域のコミュニケーションツールとして絵図を制作しています。受け継がれていく暮らしとはどういうものなのか、人との出会い、一期一会を大切に活動しています。
滋賀県大津市仰木は、成安造形大学から約2km山手にある1200年以上歴史のある農村集落です。比叡山延暦寺造営にかかわるタタラ跡や豪族屋敷跡の遺跡があり、重要文化財の仏像が地域に点在するお堂で守られ、祭りに登場します。
山林は共同で管理し、山の谷間すみずみまで棚田が広がり、集落の周りには畑が点在し、四季折々の自然と対峙した豊かな里山文化が育まれてきました。
今回の作品は、仰木の食からみる仰木の世代を超えて受け継がれてきた伝統知(知識・知恵・技術)を記録する試みです。一つの集落の中で得られる里山からの恵み、その多様さと豊かさについて考えます。
大原 歩 | OHARA Ayumi
2000 成安造形大学 造形学部デザイン学科 卒業
2001 大津市教育委員会仰木公民館 生涯学習専門員
2003 龍谷大学里山学・地域共生学オープンリサーチセンター RA・同学 非常勤講師
2010 成安造形大学 職員・同学附属近江学研究所 研究員
2018 成安造形大学 助教
現在
成安造形大学 非常勤講師・同学附属近江学研究所 客員研究員
京都大学大学院地球環境学堂 技術補佐員
所属学会/日本造園学会、日本景観生態学会
主な論文・著書
2006 くうねるところにすむところ17『わらの家』(共著、インデックスコミュニケーションズ社)
2015 季刊『じぞうのめ』(共著、2012年~2015年、地蔵プロジェクト)
2023 文化誌「近江学」14号「禍をさける・はらう・おくる ─四季折々の祭礼のかたち─」(成安造形大学附属近江学研究所)
2024 地球研叢書 災害対応の伝統知「水利用と災害対応」(共著、昭和堂)
2024 文化誌「近江学」15号「大津市守山地区の自主防災をもとにつながるコミュニティ」(共著、成安造形大学附属近江学研究所)
2024 (査読付き論文)「滋賀県比良山麓集落の水利用にみる利水・防災の仕組みと用排水管理」(筆頭執筆者、ランドスケープ研究・2023年度日本造園学会全国大会ベストペーパー賞受賞)
主な作品
2003 「仰木鳥瞰絵図」
2007 「瀬田・田上鳥瞰絵図」
2008 「小椋神社境内絵図」
2024 「比良山麓の石の文化MAP」
主な展覧会
2012 「CHI-KEI 風土のかたち、ながめ、かかわり」(地蔵プロジェクト)/キャンパスが美術館/滋賀県大津市
2014 「what I’ve chosen | what I chose vol.2」/キャンパスが美術館/滋賀県大津市
2018 「テサグリトドウニュウ 成安造形大学新任教員展」/キャンパスが美術館/滋賀県大津市
2019 「忘れようとしても思い出せない」(おうみ映像ラボ)/NO-MA/滋賀県近江八幡市
参考作品
《比良山麓の石の文化MAP》ペン・デジタル/NPO比良の里山/2024
《地域の暮らしを支えた「車」》ペン・デジタル/文化誌「近江学」9号(成安造形大学附属近江学研究所)/2017