2023年6月2日[金]—7月1日[土]
11:00—17:00
05ギャラリーウインドウ
06ギャラリーアートサイト
地域にある道具や景色から版画を作っています。「それぞれの版木がもつ木目模様には同一のものが無いように、その場、その時に遭遇してしまった縁を木版画に摺りとることはできないだろうか。」ということを考えつつ、モチーフの物語・版木やその周辺の素材などを土地で探しながら、作品とあそぶ過程を大切にしています。
出展作品は、かつて琵琶湖で使用されていた「丸子船」と堅田湖岸からの景色をモチーフに、木版画やスタンプを使って描いたものです。
私の作品制作に一貫して言えることでもありますが、モチーフである「丸子船」を民俗工芸や歴史史料と捉えているわけではありません。
それ以前に「生活のひとつの在りよう」としての表現と考えています。
制作のために素材を手に取り、色んな仕方で動かしたり探ったりと「生活のひとつの在りよう」にふれていく過程は、いつのまにか自分自身を知ることへと折り返してきます。
こうやって、考えることの手法を手繰っています。展覧会コンセプトにある『観察者のまなざし』とは、私の場合、モチーフとして「丸子船」そのものを見ている視点、というより、何か或るものへと向かっていることとなるのではないでしょうか。
鑑賞者にとっての、観察ガイドブックのような作品となっても嬉しいですが、ガイドブックの内容と実際のものを混同する必要はありません。
(山田 真実)
山田 真実 | YAMADA Mami
1995 大阪府生まれ
2020 京都市立芸術大学大学院 美術研究科絵画専攻 版画 修了
主な活動
2019 AIR南島原市アートビレッジ・シラキノ(長崎県 南島原市)
2021 大湫宿 旧お茶工場にて滞在制作(岐阜県 瑞浪市 大湫町)
2022 中桐聡美・山田真実 二人展「測鉛をおろす」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、京都府)
滋賀県内のフィールドワークをしつつ、木版画制作を行なっている
参考作品
《 湖面に帆をはる 》の部分写真
2022
《 観察者のまなざし DM(非公式) 》
215×155mm/凸版/インク、余った紙(和紙、かきた紙、画用紙など)/2023
《 出島灯台(大津市今堅田一丁目) 》
215×155mm/スタンプ/インク、和紙、かきた紙、画用紙/2023
《 大杉の年輪の木版画を摺る かたち 》
900×600mm/水性木版/墨、和紙/2021