「観察」という言葉は好きでよく用います。
「観察」という行為は現象を客観的に認識しますが、それは人の意志であり、万物の成り立ちや法則と共に人の存在が感じられるからです。

日本画で行っていることは、自分が世界を捉える中で起こる否定と肯定の繰り返しです。
自分の場合それは現場での写生から始まり、絵具を扱う中でも行われています。

自分の目で捉え描くことはどこまでも不確実で不明瞭ですが、故に力強く芽生える瞬間があり、帰依するところであります。

自らの内省と浮き足立った観念の否定の上に、精神性の源泉、現代における大地性のようなものを探りたいと思っています。

それはおそらく極めて具体的であり、個人的体験の上での顕現です。

出品作品のテーマ・コンセプト

展示構成の主題としているものは水と陶器です。

水の抽象性と陶器の具体性を対照させてみたいと思いました。
対照的である故、通底する「観察」の姿勢がより浮き上がってきます。

写生を重ねると、陶器の形を水の動きを追うように捉え、水の中に陶器の色彩をうつし見る感覚があります。
そのような「観察」の一端です。

(会見 貫太朗)

会見 貫太朗 | AIMI Kantaro

1995　鳥取県生まれ

2017　宝塚大学造形芸術学部　卒業

主な活動

2017　第1回新日春展　入選

2017　第63回全関西展　入選

2017　改組新第4回日展　入選

2018　不自然な自然　宝塚大学研究生グループ展(宝塚大学ギャラリー/兵庫)

2019　うつしえ　遊糸洞メンバーグループ展(遊糸洞/大阪)

2019　曜曜展　日本画グループ展(京都府立文化芸術会館/京都)

2023　贈りもの展　（ギャラリー恵風/京都)

参考作品

《 陶器1 》
F6

《 水 》
F100

《 静物3 》
B2