2022年9月2日[金]—9月24日[土]
11:00—17:00
06ギャラリーアートサイト
私は近年、自身が約10年間使用し続けているTwitterアカウント(ID:8da0b6)でシェアした画像を素材に平面作品 を制作しています。また、制作した作品を自作に繰り返しモチーフとして取り入れています。前者はSNSにシェアしたイメージを、自分が死んだ後も長く残る(かもしれない)絵として世の中に残す試みで す。後者はそれをメタ的に再度記録して残す作品です。過去の投稿を言及しながら再提示するTwitterの引用リツ イートのような感覚に近いかもしれません。制作の動機となる大きな興味として、視覚技術が絵画にどのような影響を与えるのかという疑問があります。
写真や映像や画像編集ソフトなどの視覚技術が現れた時に絵画はそれらに対して、技術を取り込んだり、もとも と持っていた役割を切り離したりしながら変化をしてきました。 特に私はTwitterやinstagramなどのSNSと、Skypeやzoomなどで可能になったリアルタイムなビデオ通話と、 360°その場の状態が気軽にシェアできる全天球カメラ、カメラ越しにデジタルコンテンツなどXRと呼ばれる 現実と仮想世界を融合させる技術などの、さまざまなサービスやコンテンツの普及によって、液晶画面と現実 (=フィジカルの)世界での体験がよりシームレスにつながるようになった今、視覚表現の始祖といえる絵画が どのように現実とつながることができるのかということを考えています。
直近の取り組みでは、自作を引用することで見えない線で作品同士の関係をつなぎ、それを何重にも編み広げて自作同士のネットワークを構築しています。見えない線というのは赤外線のように肉眼では不可視だけど確かに存在している線をイメージしています。1998年にゲームボーイカラーの赤外線通信を初めて使った時の画面同士を挟む数cmの空間を見たときの原体験と、画中画の「入れ子状態」を手掛かりに画面の中と外の通り道を探っています。そして一枚絵に留まらず画面の外に関係が広がり、お互いに引用し合い、既存の作品内容を制作中に捉え直し更新していく有機的なネットワークを今後も広げていきたいと思います。
(山﨑 愛彦)
山﨑 愛彦 | YAMAZAKI Yoshihiko
1994 札幌市生まれ
2016 札幌大谷大学 芸術学部 美術学科 絵画分野 卒業
2019 Think School 制作コース2期 修了
2020 北海道教育大学 大学院教育学研究科 教科教育専攻 美術専修(油彩画) 修了
主な個展
2022 「Like infrared」(GAMOYON gallery/大阪)
2021 「8da0b6(8da0b6)」( kumagusuku/京都)
2020 「矢印の輪切りいくつか見る。」(北海道文化財団アートスペース/北海道)
2019 「室内装飾とテクスチャ」(ギャラリー創/北海道)
2017 「 buoyancy」(TOOV cafe/北海道)
2016 「 face」(ギャラリー/北海道)
主なグループ展
2021 「dpi」(kanze arts/福岡)
2020 「シェル美術賞展2020」(国立新美術館/東京)
2019 「Nameless Landscape」(札幌文化芸術交流センターSCARTSコート/北海道)
2019 さっぽろアートステージ2019「まなざしのスキップ」(札幌文化芸術交流センターSCARTSモール/北海道)
2019 「シンクスクール制作コース 歴代受賞者展」(チ・カ・ホ 北2条広場/北海道)
500m美術館vol.28 500メーターズプロジェクト006 「冬のセンバツ」〜美術学生展〜 (札幌大通地下ギャラリー500m美術館/北海道)
2018 「シンクスクール2018年度制作コース選抜作品展」(チ・カ・ホ 北2条広場/北海道)
「Shelf Life」(OOTE41221/長野)
「JRタワー・アート・プラネッツ グランプリ 2018」(プラニスホール/北海道)
「Shelf Life」(OOTE41221/長野)
「開館50周年記念 mima 明日へのアーティストたちとともに」(北海道立三岸好太郎美術館/北海道)
2016 北海道作家作品展「2020来るべき者たち」(CROSS HOTEL SAPPORO/北海道)
その他
2022 「ARTISTS FAIR KYOTO2022」
参考作品
《8da0b6(Shinomiya,Ofukacho)》
2022/1300x1620mm/アクリル , キャンバス
《Each nest and bagel》
2022/803x652mm/アクリル ,UV インク , キャンバス
《8da0b6》
2022/1620x1620mm/アクリル , キャンバス