アーティストステイトメント
【2017年10月】
僕たちが世界から受ける印象や物事も真実と事実が一致しない。
同じように人間の行動、言動、思考は必ずしも一致しないのではないでしょうか?
それは作品と作者、作品と鑑賞者、作者と鑑賞者の関係とも当てはまるものだと思うのです。
そうしたは齟齬そのものが僕の興味の対象なのだと言えるのでしょう。
齟齬とはコミュニケーションそのものだと思うからです。
僕は作品を塗り重ね、削り、表面を均一にし、一枚の平面として作り上げます。
出来上がった作品は僕の意図や思惑を超え、
鑑賞者は作品に自分なりの理解を示し、自分なりの共感をしたりする。
その時点で作品は作者の手を離れ鑑賞者と共にあるのです。
そして部外者になった作者がその共感を外部からさらに鑑賞する事になるのです。
齟齬と齟齬を重ねて出来上がるもの、それは僕の作品が作り出す印象と同じものなのかもしれません。
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この文章から4年経ち状況も変わりはしたものの
齟齬と齟齬を重ねてもっと齟齬にしましょうと僕は思うのです。
誰かが残した正解を人は求めがちですがそんなものはどこにもなく
あるのは自分の都合に合わせた世界です。
自分の世界とほかの世界を横断できるのは齟齬、なのかもしれません。
2021/04/11 中川トラヲ
中川トラヲ | Nakagawa Torawo
1974 大阪生まれ
1997 成安造形大学 卒業
京都市在住
個展
2019 「That Being Done, I Calmly Walk Down the Lively Street」(Alt Space Post/京都)
2017 「Break Even Point」(児玉画廊|東京/東京)
2013 「Plastic Art」(児玉画廊|東京/東京)
2012 「hysteresis」(児玉画廊|京都/京都)
2011 「ポストスクリプト」(児玉画廊|京都/京都)
2010 「しじまからことといへ」(児玉画廊|京都/京都)
2008 「おとなう」(児玉画廊|東京/東京)
2007 「空気の砦」(児玉画廊/大阪)
2006 「日々の手入れ」(児玉画廊|東京/東京)
「妄想の賜物」(第一生命南ギャラリー/東京)
2005 「極小の出来事が僕の行動を決定する」(児玉画廊/大阪)
2004 「心境はいつも一緒」(児玉画廊 | 東京/東京)
2003 「Soil」(児玉画廊/大阪)
2001 「休日の印象」(CASO/大阪)
グループ展
2013 「周縁からのフィールドワーク」(京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ/京都)
2011 「multiple」(Prinz/京都)
2009 「drowning room」(神戸アートビレッジセンター/兵庫)
2007 「Portrait Session」(広島現代美術館/広島)
2006 「夢の中の自然ー昭和初期のシュルレアリスムから現代の絵画ー」(群馬県立館林美術館/群馬)
2005 「VOCA展2005」(上野の森彫刻美術館/東京)奨励賞
「京都府美術工芸新鋭選抜展」(京都文化博物館/京都)
2004 「タイム・オブ・マイ・ライフ」(東京オペラシティアートギャラリー/東京)
参考作品
《迷い道のさえずり#1》 2019 / 260×320mm / パネルにジェッソ、顔料、メディウム / 撮影:シュヴァーブ トム
《迷い道のさえずり#3》 2019 / 460×350mm / パネルにジェッソ、顔料、メディウム / 撮影:シュヴァーブ トム