「具体美術協会」の最年少作家として知られる今井は、「具体」に軸を置きながらも積極的に個展や美術展への出品を続けることで、新時代を担う一作家として活躍してきた。その作風は平面作品にとどまらず、立体作品や写真、映像など多岐にわたるが、常に「空間」「時間」「現象」「存在」といった根源的な主題を問いかける内容であり、現在も国内外で精力的に発表を続けている。本展では、ビデオテープと映像を使ったインスタレーションなどを展示する。

今井 祝雄 | IMAI Norio

1946　大阪市生まれ
1965　大阪市立工芸高等学校美術科洋画コース卒業
1965　具体美術協会会員
1966　第10回シェル美術賞展1等賞受賞

｜主な個展｜
1964　「17歳の証言」ヌーヌ画廊 / 大阪
1966　グタイピナコテカ / 大阪
1971　ウォーカー画廊 / 東京
1980　「短形の時間」ギャルリーキタノサーカス / 神戸
1981　「Videotape Performance」Video Gallery SCAN / 東京
1981　「ビデオによる」ザ・バンク / アムステルダム,オランダ
1996　「BACK&FORTH　今井祝雄・白の空間1964-1966」ギャラリー16 / 京都
2005　「デイリーポートレイトの四半世紀」夢創館 / 神戸
2012　「今井祝雄Retrospective——17才から22才」アートコートギャラリー / 大阪
2013　「白のイベント」アクセル・ヴェルヴォールトギャラリー / アントワープ,ベルギー
2014　「Perspective in White」ギャラリーリチャード / アメリカ
2014　「白からはじまる」ユミコチバアソシエイツ・ビューイングルーム新宿 / 東京
2014　「白の遠近」ギャラリー・リチャード / ニューヨーク,アメリカ
2014　「Retrospective——影像と映像」アートコートギャラリー / 大阪
2015　「タイム・コレクション」ユミコチバアソシエイツ・ビューイングルーム新宿 / 東京
2015　「White Event」ギャラリー・リチャード / フランス
2016　「白のイヴェント×映像1966-2016」ユミコチバアソシエイツ・ビューイングルーム新宿 / 東京
2016　「Retrospective——方形の時間」アートコートギャラリー / 大阪
2016　「Clezio, Koi, Article 9」ギャラリーあしやシューレ / 兵庫
2016　「クレジオ、耕衣、九条」+1art / 大阪
2017　「余白の起源」OZASA——KYOTO / 京都
2017　「音のケルン」+1art / 大阪
2018　「行為する映像」アートコートギャラリー / 大阪
2021　「SQUARE」ユミコチバアソシエイツ・ビューイングルーム新宿 / 東京
2022　「おとだま」+1art / 大阪
2024　「ビデオテープ・ガーデン」+1art / 大阪
2024　「今井祝雄——長い未来をひきつれて」芦屋市立美術博物館 / 兵庫
2024　「今井祝雄——皮膜のうちそと」アートコートギャラリー / 大阪　など

｜主なグループ展｜
1964　「第14回具体美術展」高島屋 / 大阪
1966　「現代美術の動向」国立近代美術館京都分館
1966　「空間から環境へ」松屋 / 東京
1967　「第5回パリ青年ビエンナーレ」パリ市美術館 / パリ,フランス
1969　「現代日本美術展ー蛍光菊」現代美術研究所I.C.A / ロンドン,イギリス
1970　「万国博美術展」万国博美術館 / 大阪
1972　「映像表現'72——もの・場・時間・空間ーEquivalent Cinema」京都市美術館
1982　「第４回シドニービエンナーレ」New South Wales Institute of Technology / シドニー,オーストラリア
1983　「現代美術における写真——1970年代の美術を中心として」東京国立近代美術館、京都国立近代美術館
1994　「戦後日本の前衛美術」横浜美術館 / 神奈川、グッゲンハイム美術館 / ニューヨーク,アメリカ、サンフランシスコ近代美術館 / サンフランシスコ,アメリカ
2004　「結成50周年記念「具体」回顧展」兵庫県立美術館
2007　「ラディカル・コミュニケーション：日本のビデオアート1968-1988」ゲティセンター / ロサンジェルス,アメリカ
2009　「ヴァイタル・シグナル——日米初期ビデオアート」ジャパンソサエティ / ニューヨーク,アメリカ、ボストン美術館 / ボストン,アメリカ、ロサンジェルス・カウンティー美術館 / ロサンジェルス,アメリカ、他〜2010
2012　「《具体》ニッポンの前衛18年の軌跡」国立新美術館 / 東京
2012　「 A Visual Essay on Gutai at 32 East 69 Street」Hauser & Wirth / ニューヨーク,アメリカ
2013　「具体:素晴らしい遊び場」グッゲンハイム美術館 / ニューヨーク,アメリカ
2014　「Image and Matter in Japanese Photography from the 1970s」Marianne Boesky Gallery / ニューヨーク,アメリカ
2015　「Geometries On and Of the Grid:Art from 1950 to the Present」ザ・ウェアハウス / アメリカ
2015　「 PROPORTIO」パラッツォ・フォルトゥニー / イタリア
2015　「Re:play 1972/2015『映像表現’72』展、再演」東京国立近代美術館
2016　「performing for the camera」テートモダン / イギリス
2017　「第31回イメージフォーラム・フェスティバル2017」イメージフォーラム3階 / 東京、京都芸術センター他、福岡、神奈川、愛知に巡回
2018　「一日だけの展覧会『芦屋の近代　現代のとりくみ——当館コレクションより』」芦屋市立現代美術館 / 兵庫
2018　「Norio Imai:Material Ecstesy（今井祝雄——物質的恍惚）」アクセル・ヴェルヴォールト・ギャラリー / ベルギー
2020　「シリーズ：検証『現代美術の動向展』1996-1970」京都国立近代美術館
2020　「京都の美術 250年の夢」京都市京セラ美術館
2020　「開館50周年 今こそGUTAI 県美の具体コレクション」兵庫県立美術館
2021　「映像は発言する！2021」ギャラリー16 / 京都
2021　「文字模似言葉」ボーダレス・アートミュージアムNO-MA / 滋賀
2022　「みんなのまち　大阪の肖像」大阪中之島美術館
2022　「時を超えるイヴ・クラインの想像力——不確かさと非物質的なるもの」金沢21世紀美術館 / 石川
2022　「すべて未知の世界へ——GUTAI　分化と統合」大阪中之島美術館+国立国際美術館
2023　「Re:スタートライン　1963-1970/2003 現代美術の動向展シリーズにみる美術館とアーティストの共感関係」京都国立近代美術館
2023　「今井祝雄の音」アートコートギャラリー / 大阪
2023　「風景論以後」東京都写真美術館
2023　「”みかた”の多い美術館展」滋賀県立美術館
2024　「具体美術協会/芦屋」芦屋市立美術博物館 / 兵庫
2024　「Seoul Media City Pre-Biennale」ソウル市立美術館 / 韓国　など

｜主なコレクション｜
芦屋市立美術博物館、大阪中之島美術館、大阪府、京都国立近代美術館、国立国際美術館、滋賀県立美術館、東京都写真美術館、兵庫県立美術館、福岡市総合図館書、宮城県美術館、天目里美術館(中国）、アクセル･アンド･メイ･ヴェルヴォ-ルト財団（ベルギー）、ゲティ・センター（アメリカ）、ファーマサイエンス･コレクション（カナダ）、ラチョフスキー･コレクション（アメリカ）　ほか多数。

参考作品

《 タイムコレクション 》1981

《 デイリーポートレート 》1979-